大判例

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東京高等裁判所 昭和44年(ラ)908号 決定

一、記録によれば、本件競売および競落期日の公告は、昭和四四年一〇月三〇日東京地方裁判所の掲示場に掲示されたことを認めることができる。もつとも、現行の掲示方法については改善の余地なしとしないが、掲示にかかる書類につき人為的な損傷あるいは風雨による破損等を防ぐためには、必要な防護方法を取らざるを得ず、その結果ある程度見にくくなることはやむを得ないところであり、さればこの欠点を補うため、公告に関心を有する者がその閲覧を望むときは、裁判所の勤務時間内である限り、係員に申出て、その閲覧をなし得る機会が与えられているのが実際の取扱いである。ところで、本件においては抗告人より勤務時間内に係員に対して公告の閲覧の申出があり、それにもかかわらず、係員がこれを拒絶したというような事実を認めるに足る資料は全くないのであつて、たまたま抗告人が裁判所の掲示板を外部から見て本件競売および競落期日の公告を発見できなかつたというだけでは、公告がなかつたものということはできない。

二、競売期日の公告に公租公課を記載する趣旨は、競買申出人にこれを知らせることにより競売不動産に対する評価について参考資料を得させるにあるのであるから、なるべく最近の年度の公課金を記載するのが妥当ではあるが、必ず当該競売期日の年度の公課金を記載すべき旨の厳格な法律の定めはないのであつて、右公告の目的を達し得る限りにおいては、過去の年度の公課金を記載しても差支えないものと解すべきである。本件においては、昭和四四年一一月二一日の競売期日の公告に昭和四三年度の公課金が記載されていることが記録上明らかであるが、これによつて前記公告の目的は十分に達し得るものと認めるのを相当とするから、適法な公課金の表示があつたものというべきである。

三、競売法第二七条第二項は、「競売ノ期日ハ競売手続ノ利害関係人ニ之ヲ通知スルコトヲ要ス」と規定するのみで、右通知書に記載すべき事項については、法律になんらの定めも存しないが、公判期日の呼出状に準じ、事件番号、競売期日のほか、競売事件の当事者(申立人、債務者、所有者)の氏名、競売期日を開くべき場所を記載すべきものとされている。しかし、競売に付すべき物件、競落期日、すべての利害関係人の氏名を記載すべきことを命じた法律の規定はなく、したがつてこれらの記載をなすことは、競売期日通知書の要件ではないと解すべきである。

(古山 川添万 秋元)

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